「ももかん」
サッカーやラグビーなど、コンタクトスポーツでよく起きる太ももの打撲。
相手の膝が自分の太ももに当たり、筋肉を傷めてしまうケガです。
そんな時、必ず行わないといけない初期処置があること知っていましたか?
これを知らないと、膝が曲げられなくなることもあるのです・・・
コンタクトスポーツで相手の膝が、自分の太ももに衝突してしまったケガを通称「ももかん」なんて言ったりします。
地方によって呼び方は様々なのですが、このようなケガをした時は「できるだけ膝を曲げるようにする」これを必ず行ってください。でないと、時間の経過とともに膝を曲げることが困難になってしまうことがあるからです。
一度曲がりにくくなって、固まってしまった膝は戻すのにとても時間がかかるんですよ。
それではなぜ、膝が曲がりにくくなってしますのでしょう。
それは・・・
太ももの打撲「ももかん」
相手の膝が自分の太ももに当たった場合、強烈な痛みに襲われますよね。
そんな時、下図のような状態が起こっているのです。
相手の膝が太ももに当たった場合、筋肉は相手の膝と自分の骨(大腿骨)に挟まれて挫滅します。
そして、挫滅する組織は決まって骨に近い筋肉(中間広筋)になるのです。
傷ついた筋組織からは当然出血するわけで、これが筋肉内に波及すると筋肉の内圧も上がり、筋肉の伸張性が無くなってしまうのです。
要するに膝が曲げられないという現象が徐々に出てくるというわけです。
これを防ぐには、筋肉内の出血を極力少なくする必要があります。
それを効率的に行うのが、膝を曲げることなのです。
なぜなら・・・
太ももの前にある筋肉は、上図のように着いており、この筋肉が収縮することにより、膝を伸ばすという役割を担っているのです。
ですから逆に言えば、膝を曲げると筋肉は最も伸張されるという事なのです。
つまり、膝を曲げていくと筋肉はより引き伸ばされ、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)に押し付けられる力が働きます。
出血を抑えるには患部を圧迫する事が最も有効な止血方法ですよね。
ですから、筋肉の作用を使ってこの部分にも圧迫力をかければいいわけです。
「ももかん」では大腿骨付近の筋肉が傷ついているわけですから、膝を曲げることにより間接的に患部に圧迫力をかけることができます。
よって、膝を出来るだけ曲げておくことは筋肉内での出血を最小限にとどめる事が出来るという事なのです。
また、筋肉も縮こまったままの状態で組織の中に血液が入り込むと、血液が固まってくるにつれて筋肉自体も伸び難くなってしまいます。
ですから、太ももの前の筋肉を打撲した際には、必ず膝を出来るだけ曲げておく事が大切なのです。
もちろん曲げると痛いです。だから、我慢のできる範囲で少しずつ膝を曲げて行ってくださいね。
おおよそ3日程度は出来る限り、膝を曲げる事を意識しましょう。
血のりで筋肉が固まるその前に、必ず行って欲しい初期処置です。
ちなみに・・・
深部の筋肉で内出血するため、表面にあざは出てこないのが普通です。
もし出てくるとしても、表面に現れるころにはだいぶ下の方(おそらく膝上あたり)に出ることでしょう。
しばらくたってから、痛めた場所と違うところにあざが出てもびっくりしないでくださいね。
「太ももをぶつけたら、とにかく膝を曲げておく」
これだけは忘れないでくださいね!
それでは、また。